2Sep
・よく眠れない日が増えた
・疲れが取れない
・たくさん食べてしまう
・嫌なことを考えてしまう
・やる気がなくなった
・焦燥感がある
など、心が不調の時に出る症状は様々あります。
熱がある時など身体の調子が良くない時にも、気持ちが落ち込んだり不安感が現れたりします。
心と身体はいつでも関わり合っており、心の不調が身体の症状に、身体の不調が心の症状に現れることがあります。
心の不調は誰にでも起こり得る”からだの状態”なのですが、落ち込んでいるときや、思うように動けないときなどには、多くの人が自分のことを責めてしまいがちです。
脳の神経回路
脳は、脳の中にある神経回路が働くことでいろいろな機能を果たしています。
身体が1個1個の細胞が集まってできているのと同じように、脳は「神経細胞」という細胞が集まって機能し、私たちに物事を知覚させたり考えさせたり、行動を起こさせたりしています。神経細胞はニューロンとも呼ばれていて、ニューロン同士は電気信号を送受信することで情報をやり取りしています。
例えば、何かに「嬉しい」と感じている時、目や耳から入った情報が、あるニューロンからあるニューロンへと次々に伝達され、最終的に「嬉しい」という感情を私たちに感じさせてくれています。この一連の情報のやり取りを「神経回路」と呼んでいます。人間の五感から入ったあらゆる情報は、脳の複雑な神経回路を巡り、思考や感情、行動が生み出されています。
心に不調があるときは、この脳の神経回路がうまく働いていない状態にあります。落ち込む日が続いたり、何事にも興味が持てなくなったりするのは、心の持ちようではなく、脳の神経回路がそのようにさせている、ということなのです。
神経回路がうまく働かなくなる原因は、はっきりとは明らかになっていません。しかし、強いストレス下にさらされたり、慢性的なストレス状態が続いたりすることで、正常な神経回路がダメージを受け、うまく働かなくなるのではないかと考えられています。
しかし、脳の神経回路は常に変化する性質を持っています。一度不調を経験しても、休養や治療によって、元の状態に回復することが十分に可能です。
「心の強さ」は、心の健康状態とは別のものであり、調子を崩すことは誰にでも起こりうることです。ご自身を責めず、そして考えすぎないことが何よりも大切です。
「もしかして…」と感じたときは、おひとりで抱え込まず、ご相談ください。
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